足首の捻挫
足首の捻挫損傷のメカニズム
足首の靱帯は関節を固定し、足首が過度な動きをするのを保護しています。
足首の捻挫は靭帯を正常域以上に伸ばすことによって起こります。重度の捻挫は弾性繊維の損傷を引き起こします。
足首の捻挫には内反と外反があり、内反捻挫は足首の内側に、外反捻挫は外側に痛みを生じます。外反捻挫は腱や、足の土踏まずの部分を支える靱帯の損傷につながることもあるので、必ず医師の診断を受けましょう。
足首の関節上部に靱帯の損傷が起きてしまうこともあります。脛(すね)にある二本の骨(腓骨と脛骨)をつなぐ靱帯の損傷です。このタイプの足首の捻挫は治るのに少し時間がかかり、痛みが6週間以上続くこともあります。
足首の捻挫の徴候と症状について
- 足首の痛みと腫れ
- 足首の熱感と赤み
- 足首が動かしにくくなる
- 青あざになる
足首の捻挫の重症度
- 軽度(グレード1):靱帯が軽く伸びた状態。関節は不安定にはなっていない
- 中等度(グレード2):靱帯の一部が断裂した状態。関節が不安定になることもある
- 重度(グレード3):靱帯が完全に断裂した状態。関節は不安定
治療
治癒には通常約6週間かかりますが、捻挫の重症度によりそれ以上かかる事もあります。
軽度(グレード1)
- 安静(R)
- 歩行を控えるか、歩くときは補助具を使うようにしましょう。
- 冷やす(I)
- 腫れが治まるまで(特に捻挫してから24~72時間)は、日中1~2時間おきに患部を10~20分をアイスパックで冷やす。アイスパックは薄いタオルなどの布で包んで外傷部分の皮膚にあて、抑えます。
- 圧迫(C)
- 伸縮性の圧迫包帯(もしくはサポーター)を使って腫れを軽減する。血液の流れが悪くなるほどの圧迫は避けます。
- 挙上(E)
- 腫れを軽減する為に、出来るだけ頻繁に、足首を挙上します(横になった状態の場合、心臓より上にあげるのが理想的)。
中等度(グレード2)
- 上記にあるようにRICEを実践しましょう。
- 治癒には時間がかかる事を理解しましょう。
- 足首を固定する為に、医師がスプリント(固定する為の装具)を処方する事もあります。
重度(グレード3)
- 上記にあるようにRICEを実践しましょう。
- 足首の安定性を元に戻す為に外科的処置が必要な事もあります。
エクササイズ
- リハビリの為の運動は非常に大切です。
エクササイスをする上での目的は、
- 足首の稼働領域を元に戻す。
- 足首の周りの筋肉を強化する。
- バランスを強化する。
- 捻挫の程度によりエクササイズは必要で、人によっても様々な方法があります。エクササイズに関しては、医師や理学療法士に相談してください。
(情報は全て参考の為に提供されています。質問などがある場合は、理学療法士もしくは医師にご連絡ください。)
上記の情報は、カノッサ病院(カリタス)の理学療法部で制作されています。理学療法のご予約には、28255392にお電話ください。
参考文献:
References
- American orthopedic foot and ankle society
- American Academy of Orthopedic surgeons
- Ankle Stability and Movement Coordination Impairments: Ankle Ligament Sprains (J Orthop Sports Phys Ther. 2013;43(9):A1-A40. doi:10.2519/jospt.2013.0305)