頸椎に問題のある患者様へ
首の構造
人の首は7個の頸椎、筋肉、靭帯、椎間板、神経及び血管で構成されています。頸椎から延びる神経は、上肢を司ります。首の構造に問題がある場合、痛みの他に、上肢に力が入らない、もしくはしびれの症状も起こします。
症状
- 痛み
- 頭痛
- 圧痛
- 動かしにくい
- 上肢のしびれやピリピリ感
- 上肢に力が入らない
原因
頸椎の問題は40-50歳の人に多く見られます。一般的な原因は以下のとおりです:
- 外傷 – 首への外的な力が加わると(運動や交通事故など)首の骨、筋肉や関節に損傷をきたします。
- 変性- 加齢による頸椎の摩耗や骨棘が形成される結果、椎間孔(神経が通る穴)が狭くなります。
- 悪い姿勢 – 頭頸部前方位姿勢(頭と首を前に突き出した姿勢)を維持すると、首の構造を酷使します。枕の高さが適切でないと、寝ている間に首の筋肉を緊張させます。
- 心理的な緊張状態 – 首の筋肉が長い間硬くなると、首の痙縮を引き起こします。
姿勢
良い姿勢を維持する事で、頸椎と椎間板の負担を減らす事が出来ます。その為、首の構造の変性も予防する事が出来ます。
- 立位: まっすぐ前を見て、顎を引き、肩はリラックスし、背筋を伸ばします。
- 座位: まっすぐ座って、首をまっすぐ保ちます。
- 臥位: 睡眠中の枕の高さは、上向きに寝ていても、横向きに寝ていても頭、首、身体を水平に保つものがいいでしょう。
予防
- 長時間の労働は避けましょう
- 首を長時間上げたり下げたりする事(読書など)は避けましょう
- 突然首をひねらないようにしましょう
- 定期的にストレッチをしましょう
- ベッドでの読書など、悪い姿勢を裂けましょう
首の運動
首の運動を一日に3回以上すると、効果的に首の変性の予防ができます。朝起きた時と就寝前に以下の二つの運動をしましょう。
- リラクゼーション
頭とひざに枕を入れ、仰向きに横になります。深呼吸を3回しながら身体をリラックスさせます
- ストレッチ (10回繰り返します)
1. 顎を後ろに引きます |
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2. 頭を前に倒し、元に戻します。 | ![]() |
3. 首を右側ぎりぎりまで回し、その後左側にも同様に回します。 | ![]() |
4. 首を右肩に向かって傾け、その後、同様に左に向かって傾けます。 | ![]() |
- 筋肉の強化運動 (5秒間保持し、10回繰り返します)
5. 頭を前に押し出す動きをしながら、手で額を後ろに抑えます | ![]() |
6. 手で後頚部を支え、その力に逆らい頭を後ろに押す。この状態で5秒間保持する。 | ![]() |
7. 手で側頭部を支え、その力に逆らい頭を横に押す。この状態で5秒間保持する。 |
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- 肩の運動 (10回繰り返します)
8. 両肩をすくめるようにして上げる | ![]() |
9. 両肩(肩甲骨)を後ろに寄せる | ![]() |
10. 肩を回す |
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(エクササイズ中に痛みや不快感がある時は、運動を中止し、理学療法士もしくは医師にご相談ください。)
参照:
- Common posture mistakes and fixes (2022, July). NHS. Retrieved from https://www.nicswell.co.uk/live-well/common-posture-mistakes-and-fixes
- Evidence Based Interventions for Neck Pain. (2017, September 25). Physiopedia, . Retrieved 08:36, May 25, 2019 from https://www.physio-pedia.com/index.php?title=Evidence_Based_Interventions_for_Neck_Pain&oldid=179214.