肩関節周囲炎
はじめに
肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)は、主に中年以降に発症する疾患です。ほとんどの場合は、原因不明です。過去の肩のケガ、腱炎、または肩の固定化などといった二次的な要因が考えられます。
兆候と症状
肩関節周囲炎の主に表れる症状として、肩の痛みと可動域の明らかな減少が挙げられます。日常生活の中で、着替えたり入浴や身だしなみを整えたりすることを含めて、大きな影響を及ぼすこともあります。
肩関節周囲炎の3段階:
第一段階:痛みが主な症状ですが、肩関節の可動域はひどく制限されていません。
第二段階:痛みが増して、時には睡眠にも影響を及ぼすことがあります。肩を動かすと、痛みがひどくなって、さらに肩関節の可動域が制限されることにより、日常生活の活動に著しく影響を与える場合があります。
第三段階:痛みは徐々に減少しますが、肩の拘縮状態が続きます。そのため、肩の動作がかなり制限されることがあります。
回復
ほとんどの場合、肩関節周囲炎は自然によくなります。ただし、こわばり(関節の動き)が半年から1年にかかることがあります。全身の健康状態やその他の要因によって、回復までの道のりがそれぞれ異なること点を留意することが大切です。
治療法
一般的に、初期の治療は非侵襲的です。薬物療法、や理学療法、自宅訓練、セルフケアなどを行います。理学療法の分野では、運動療法、温熱療法、鍼治療、関節可動域訓練
を含めた治療法が可能です。
第1段階と第2段階においては、痛みを軽減させることが目標となり、電気治療、鍼治療や軽い運動を行います。
肩関節の動きが硬い第三段階では、関節可動域を広げる運動と徒手療法が行われます。
(情報は全て参考の為に提供されています。質問などがある場合は、理学療法士もしくは医師にご連絡ください。)
上記の情報は、カノッサ病院(カリタス)の理学療法部で制作されています。理学療法のご予約は28255392にお電話ください。
Reference
Hanchard N, Goodchild L, Thompson J, O’Brien T, Richardson C, Davison D, Watson H, Wragg M, Mtopo S, Scott M. (2012) . Evidence-based clinical guidelines for the diagnosis, assessment and physiotherapy management of contracted (frozen) shoulder: Quick summary. Physiotherapy 98: 117–120