急性外傷の管理– PRICEの処置
捻挫、肉離れ、打撲などの急性外傷を受けた場合、即座の応急処置が合併症を予防し、回復を早めるカギになります。急性外傷の管理として、良く知られているゴールデンルールはPRICEです(P:保護、R:安静、I:冷却、C:圧迫、E:挙上)。 これらの即座の応急処置を施す目的は、痛みを和らげ、腫れを制限し、外傷部分を更なる損傷から保護する事です。自分で処置できる軽度の外傷から、最初から救急室に急がなければならい重度の外傷迄、全てのレベルの外傷に適用されます。
急性外傷管理のPRICE療法– Protection(保護), Rest(安静), Ice(冷却), Compression(圧迫) and Elevation(挙上)
保護: 怪我をしたら、外傷部位が更なる損傷を受ける事から保護する為、活動をやめましょう。
安静: 外傷を受けた筋肉、靭帯や組織を保護する為に、安静は非常に重要です。外傷部を安静に保つ事は、効果的な回復を促します。下肢に外傷を受けた場合、体重をかける事を制限、もしくは完全に避けなければなりません。
冷却: 冷却は、局所的な抗炎症治療の効果を齎します。冷やす事により、痛みを短い時間で軽減し、又、患部の血流を減らす事によって腫れも軽減します。アイスパック、砕いた氷、冷凍グリーンピースの袋などを薄いタオルで巻いて、患部を冷やしましょう。患部に直接行う角氷のマッサージも、非常に効果がある方法です。患部を氷で冷やすときは、マッサージのように氷を動かす時でなければ、氷を直接皮膚につけてはいけません。また、一度に20分以上、氷を患部に当て続けてもいけません。長く、直接氷を皮膚に当て続ける程、皮膚に損傷が起こり、凍傷を起こす事もあります。
圧迫: 圧迫する事により、腫れを制限し軽減する事が出来ます。腫れは回復を遅くします。人によっては、圧迫する事で痛みが軽減します。適切なサイズのチューブ包帯を患部に巻くのが、外傷部を圧迫する簡単な方法です。ピリピリしたり、チューブ包帯がきつすぎる場合は、一度外して休憩し、しばらくしてからもう一度巻いてみましょう。それでもきつすぎる場合は、大きいサイズに変更しましょう。
挙上: 患部を挙上する事により、腫れをコントロールできます。心臓の位置より上に患部を挙上すると最も効果が表れます。例えば、外傷部が足首の場合、患部の下に枕を1つか2つ入れて横になってみましょう。
単純な捻挫や打撲に関わらず、軽傷の場合、通常、痛みや腫れは最初の48-72時間の間にピークになり、その後、軽減してきます。思ったより状態がよくならない場合は、医師に予約をとるか、最初に救急外来に行っていないようなら、救急外来に行ってもいいでしょう。あなたが考えるより、外傷の状態は悪いかもしれません。外傷が、回復の自然の過程をたどらない場合、理学療法士の指導や介入が必要な事もあります。